世界各国の女性の学び、キャリアや働き方、結婚・出産、子育て、女性を取り巻く環境やライフスタイルについてご紹介します。
 

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シンガポールの教育は、意外にも非常に詰め込み方式で厳しいことで有名です。
 

特に男女の差はありません。狭い国土で特別な資源も無いため、国は人財こそがすべて、と教育に力を注いでいるのです。学校での成功が社会での成功にそのま ま結びついているので、小学校時代から成績によりレベルが分けられ、落第もあり、一度レールを踏み外すとエリートコースへの復帰はとてもむずかしいものとなっています。
 

その甲斐もあり、シンガポールの教育水準はPISA(OECD加盟国で行われる15歳の生徒を対象に、読解力・数学知識・科学知識・問題解決の各能力を調 査するもの)の最新結果(2012)では、米国・日本を抑え、総合3位と高位置をキープしています。そしてシンガポール内の大学まで進むのはごく少数のエ リートであることも事実です。これは男女共に上位一握りの人材が大学に進むシステムになっているからです。
 

大学進学の頃、男性には兵役が課されるため、否応なく2年間は学業がストップすることになります。その結果女性が先に社会へ進出することに。同じ年の男性は大体社会人としては後輩、という図式が出来上がるのが特徴的です。
 

シンガポールの女性は、キャリアを積んでいくことに貪欲です。同じ企業に勤め続けるよりも、転職のタイミングで給与を跳ね上げる方法を好みます。もちろん、他企業から求められる存在になるためには、仕事の専門性を高め、それをアピールする材料が無いといけないということもよく理解しています。そのため、生涯学習に余念がありません。仕事をしながらビジネススクールに通ったり、何か手に職をつけようとチャレンジする人がたくさんいます。また、そういう場で次の ビジネスでのコネクションが出来たり、狭い国家ならではのつながりが生まれていくようです。
 

先程も揚げましたが、シンガポールは国家をあげて、人材が人財になることを推奨しています。世界的にも高く評価されているNUS(シンガポール国立大学)でも、たくさんの社会人向けのコースが用意されています。
 
 
 

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上記のようにキャリアを重ねてきたシンガポール人女性にとって、キャリアを育てていくのは割と容易だと思います。もちろん、容易な ジョブホップをその身に合わないほど繰り返し、需要と供給のバランスが崩れてしまうことも多々あります。シンガポールでは、前述したように、同年代で考え ると女性の方が先に社会人になってしまうこともあり、更に上昇志向の中で学んできた彼女たちは非常に理想が高く、自分よりも収入が高い洗練された男性を求 めるためゆえか、全般的には晩婚化が進んでいます。
 

シンガポールは妊娠・出産した女性を、それを理由に企業が解雇することを禁じています。そのため産後自分のポジションがなくなっている、ということもあり ません。シンガポール人女性は、産休・育休合わせて16週間の休みを取ることができま す。そしてこれは有給休暇になります。最初の8週間は、務めている企業により給与が支払われ、残りの8週間は政府から支払われます。
 

また、後半の8週間は続けて取らずともよく、産後12ヶ月以内に分割して消化することが出来ます。子供が熱を出したり、急病になった時のために使ったり、仕事に復帰してすぐは週4日働くように調節するなどして、使われる例が多いようです。
 

元々 産休・育休が短いこともあり、現場感も損なわれないため、復帰も容易です。シンガポールは狭い国なので、リタイアした両親等に子どもを預け、それから出勤 するママも多くいます。それ以外にも、2003年から制度が変わり、インファントケアと呼ばれる保育所は、生後2ヶ月から赤ちゃんを預かってくれます。そ の費用も、政府から毎月補助金が出ます。それ以外にもシンガポールの家庭では5家族に1家族はインドネシア、フィリピンなどからの外国人メイドを雇ってい るほどにメイド文化が浸透しているので、育児をメイドに任せ、職場に復帰している女性も多いです。
 

上記のように、出産のタイミングでは キャリアにストップがかかることはほぼ無いといえます。
 
 
 

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シンガポールでの結婚は、多宗教、多民族の国家であるため結婚式となると多様です。また日本の婚姻届のようなものがあり、結婚登録所(Registry Of Marriages)に事前予約をし、決められた時間に証人と共に現場へ行き、見届け人の前で書類にサインをし提出します。この間約7~8分。会場には ウェディングドレス姿の女性があふれています。
 

そして人種によって文化が違うので、いわゆる結婚披露宴の形は様々です。多人種国家なのですが、シンガポール人同士での結婚は同人種同士というカップルがほとんどです。
 

シンガポールは今、深刻な少子化に悩まされています。そのためのテコ入れとして、政府は出産ボーナスを支給しています。その金額も一人目の子どもに現金 4,000ドル、子ども育成積立基金専用口座(CIDA)へ上限6,000ドル計最高10,000ドルから始まり、2子、3子と増えるに連れて金額も上 がっていくシステムです。それでも、シンガポールの出生率はまだ下がり続けています。
 
 
 

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シンガポールでの子育ては、日本のものとはだいぶ違っています。そもそも、前述のとおり母親が早くに仕事に復帰してしまうため、子どもと触れ合う時間はだいぶ限られてしまいます。特にメイドがいる家庭では、普段から一緒にいる時間の長いメイドに子供がなついてしまうことも。この海外から働きに来るメイド政 策は、1970年代から始まっていることもあり、既にシンガポールでは子育て外注が2世代目の家庭も多くあります。メイドでもチャイルドケアでもなく、自分の親に子どもを見てもらおうとしていた女性が、母親に断られるケースもあります。なぜなら母親は自分の母親に娘を育ててもらったため、育て方がわからな いという理由からでした。
 

さらに、シンガポール家庭では、自炊する家庭は少ないことも特徴的でしょう。ホーカーセンターと呼ばれるフードコートがあり、安価で種類が豊富。キッチンはピカピカで未使用な家庭もあります。いわば、家庭の味を知らないで育つ子どももかなりの割合でいるということです。
 
 
 

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シンガポールにはCPFと呼ばれる年金制度があります。毎月給与の一部と、会社負担の金額が、各々の年金口座に貯蓄されていきます。この利率は銀行の金利 が年間0.1%前後が多いのに対し、CPFは本年度も利率最低4%を保証と、かなり高利率になっています。これは、決まった用途にしか引き出せないようになっており、その内容はHDB(公団住宅、国民の9割がここに在住)の購入資金、万一の時の医療費、将来的な年金などがあります。引き出しこそ出来ずとも、自分の口座残高が常に分かるようになっているので、将来のための貯蓄として非常に現実的です。
 

ただし引き出せない間にそのお金はシンガポール政府によって運用もされているので、シンガポールの国が破綻するようなことがあった場合はどうなるのか、という懸念もあります。
 

シンガポールは独身者が増えているということも前述しました。少なくなった労働力を埋めるために、シンガポール政府は外国人の呼び寄せを行ってきたのです が、いまやシンガポール人口の65%がシンガポール人、残りの35%は外国人(高給取りの欧米からの駐在員もいれば、近隣諸国からメイドや肉体労働者とし て働きに来ている人も含みます。)という人口比率に、シンガポール人からの反発は大きいです。
 

また、狭い国土と限られた社会のため、早期リタイアをして仕事先を海外に替える中堅世代や、海外留学し、そのまま留学先で仕事を決めてしまう若者も増えています。このように、皮肉にもシンガポールの人財として育て上げた優秀な若者が流出する事象も増えており、ますます純粋なシンガポール在住シンガポール人 の割合は高齢化が進んでいます。
 

今はそういった人たちにシンガポールへの帰国を促す政府の動きもあります。地価が高騰しているシンガポールの公団住宅を貸出し、物価の安い海外で生活しているシンガポール人もたくさんいるのです。そういった人たちに、HDBを維持するための条件を厳しくしたり、貸出をするための証明を国から買わないと貸出が出来ないようにするなどの措置が取られ始めています。
 
 
 

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