世界各国の女性の学び、キャリアや働き方、結婚・出産、子育て、女性を取り巻く環境やライフスタイルについてご紹介します。
 

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スウェーデンでは、全レベルの教育において男女平等であることが大切と考えられており、それを達成するべく絶え間ない努力が続けられています。なぜ、それほど大切に考えられているかと言うと、すべての人が生涯を通じて平等な機会を得るためには、平等な教育が不可欠だと認識されているからです。
 

小学校教育から、一人一人の子供が、男女を問わず、他の誰でもない自分という一人の人間に育つべく、また、その基本に沿って将来の教育に進んでいけるよう、その準備としての教育がなされます。
 

今日のスウェーデンでは日本の高等学校教育にあたるレベルでは、女性の数の方が男性よりも上まわり、その傾向は、生涯の教育を通して見られます。25 歳~64歳の女性の40%が、何らかの教育やトレニーングを受けている一方で、男性は全体の32%に留まります。大学以上の教育においては、全大学生のうち、60%を女性が占めており、学位取得者の3分の2は女性です。大学院教育においては、修士と博士の両方とも男女半々の数になっています。
 

スウェーデンの目指す社会としては、あくまでも男女平等で、性に関係なく一人の人間として平等であることが大切であるため、社会全体として、女性の方が教育に熱心で、また、教育において女性が優勢である現状は、逆の性差問題として取り上げ始められています。
 

生涯教育は、大学や市民大学で行われたり、専門機関が行う場合がほとんどです。日本でいう「お稽古」というようなものはありません。外国語や絵画、ヨガやダンス、スポーツといった類のクラスやコースもありますが、教育というよりも趣味として楽しんでいます。
 
 
 

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職業においても、女性のトップを占める割合は増えています。2012年の統計によると、公共・プライベートを合わせると、トップの36%が女性です。公共 分野だけで見ると、トップの64%が女性です。けれでも、プライベート分野においては、まだまだ、男性優位が続いており、女性のトップはわずか4%です。 政治においては、2010年の国政選挙の結果、国会議員の45%が女性で、この数は2006年の47%からわずかながらですが減っています。現在、24大 臣のうち13大臣が女性で、過半数を女性が占めています。
 

スウェーデンでは、性差を理由に賃金の差をもうけることは「性差別」として法律で禁じられています。また、雇用者は「妊娠しているか」「産休休暇を取る予 定があるか」などを理由に、雇用に差をつけたり、雇用をしなかったりすることも禁じられています。賃金差は性別によらず、「職種」「分野」「役職」「職経 験」「年齢」による差であるべきと考えられています。しかし実際には、性差による違いとしか考えられないような賃金差があることは認めざるをえません。上 記を考慮した上での計算で、女性の平均収入は男性の94%です。賃金の差は、プライベート分野でより顕著です。
 

数多くの世界的企業を生んでいるスウェーデンは、もともとイノベーションに強い国です。スウェーデンの起業の32%が女性によるものです。女性の起業の93%はサービス産業です。女性の起業を進めることは国家政策でもあり、2008年以来、800人の女性が「女性起業大使」に選ばれ、講演をしたり、講座 を設けたり、ネットワークづくりの手助けをしたりと、女性に起業をアピールする努力も進められています。
 

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スウェーデンでは結婚の意味はどんどん薄れています。多数のカップルが結婚をしていない同棲カップルです。この同棲カップルとは広い範囲のものです。テスト的に一緒に住み、何度も違うパートナーと生活するケースから、生涯を通して一人のパートナー共に生活するケースまで様々です。年齢も様々で、若い人だけのカップルの形ではありません。「愛は個人の自由」というスウェーデンの精神が生きています。しかし一方で、結婚するカップルも近年は増えているようです。
 

1995年以来、結婚ではなく同棲カップルとして登録することができるようになりました。登録により、結婚と同じ法的な保護、権利、責任が生じます。また、2009年には、世界で7番目に、同性カップルの結婚・同棲登録も正式に法律で認められました。さらに、同性カップルが養子縁組をすることも法的に認 めらようになりました。
 

スウェーデン女性の出生率は1.94で、初産の平均年齢は28.9歳です。生まれてくる子供の過半数は、結婚をしていない同棲カップルに生まれています。 スウェーデンでは、妊娠・出産は特別なケースを除いて、なるべく自然にというのが流儀で、ほとんどが医師ではなく助産婦が担当します。ほとんど医師が介入しないやり方に、他国からは驚きの声も聞こえますが、スウェーデン国内では「妊娠は病気ではない」という考え方で、現行のやり方が広く受け入れられていま す。近年の調査では、フィンランドに続いて「母親になるのに良い国」世界2位に選ばれています。
 
 
 

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スウェーデンの有給育児休暇(産休)は、世界で最も長いと言えるのではないでしょうか。
 

子供が生まれた日、あるいは養子縁組をした日から480日間が有給育児休暇として与えられます。さらに、新生児の場合は、母親か父親かのどちらかにさらに 10日(双子であれば20日)が加算されます。母親も父親も、必ず最低60日間はとらなくてはならない規則になっています。
 

この有給育児休暇は連続して取る必要はなく、週単位、月単位、時間単位でも取ることができ、子供が8歳になるまで有効です。今なお、ほとんどの育児休暇を母親がとっており、父親でも平均24%の人が取っています。
 

より多くの父親が育児に参加するようになっており、父親の家庭内の存在・役割は大きくなっています。小さな子供を連れた父親同士が、ベビーカーを押しながら一緒に散歩をする姿や、カフェで一緒にコーヒーを飲む姿は、スウェーデンでは普通に見かける光景です。さらに父親の育児参加を奨励するために、育児休暇を平等に取ったカップルには育児休暇手当に上乗せをする制度も設けられています。
 

そして、子供手当ても充実しています。2人以上の子供がいる家庭には、子供手当にさらに上乗せがあるのです。子供の医療費も20歳まではほぼ無料で、子供 が病気になって仕事に行けない場合のために、特別育児休暇もあります。働く親、学ぶ親には、子供の保育園・幼稚園を用意する義務が地方政府にあります。 10人に8人の子供達は、保育園・幼稚園に通っています。
 

このように様々な制度で、子育て支援が行われています。スウェーデンでは、子育ては家族の仕事であるだけでなく、国家・社会の大切な仕事と捉えられています。
 
 
 

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スウェーデンには世界の女性が羨ましく思うほどに、女性が働きやすく、生きやすいシステムがあるように感じます。とは言え、まだまだ改善できる面があると スウェーデンでは考えられています。特に、女性が社会で成功するためのノウハウやネットワーク作りが課題とされています。
 

女性自身も、環境が整ったからと言って、万事順調な人生が待ち受けているわけではないようです。「良い子シンドローム」「燃え尽き症候群」などは、よく取 り上がられる女性の問題でもあります。学校では良い成績をおさめ、社会に出てもバリバリやっていける、家庭も持って子育ても完璧、それは易しいことではあ りません。
 

けれども、会社ではまるで子供がいないかのように働き、家庭ではまるで仕事を持っていないかのように家庭生活を送る、そんな完璧さを求めるあま り、疲れ切ってしまう女性も少なくありません。こうしたストレスは女性が長期の病気にかかってしまう要因でもあるようです。社会福祉制度が整っているス ウェーデンだからこそ抱える問題ですが、女性の長期病気休暇は、社会問題ともなっています。
 

近年、失業率が上がっていたスウェーデンでは、隣国のノルウェーやデンマークを中心に海外で働くスウェーデン人女性も増えました。元々、北欧国家は、言葉 も似ており、法律的にも共通なものが多く、ビジネス上のつながりも密ですが、現在は、サービス関係、ヘルス・福祉関係の分野で増加しています。
 

スウェーデンでは、定年(年金支給)を61~67歳の間で選ぶことができます。長い職業生活を終えた後は、福祉制度の整ったスウェーデンで、美しい自然を 愛し、自立したアクティブな生活をなるべく長く送るのが多くの人々の願いです。子供の世話が国家の重要な仕事と捉えられているのと同じように、老人の世話 も国家の重要な仕事と捉えられています。年老いて、自立が難しくなったら、国家が責任をもって一人一人の世話をするということが期待されています。
 

行き届いた社会福祉の実現のためには、高い税金が必要です。一般的に国民は高税を受けて入れていますが、高税を避けるために、老後は国外に居住を移す人も 少なくありません。また、多くの人がスペインなどにホリディハウスを所有しており、冬は暖かい南の国、夏は過ごしやすいスウェーデンに住むというような老 後の生活を選択をする人も多いです。
 
 
 

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