世界各国の女性の学び、キャリアや働き方、結婚・出産、子育て、女性を取り巻く環境やライフスタイルについてご紹介します。
 

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ノルウェーでは教育を受ける権利が、全ての男女に平等に与えられており、大学教育を含む全ての公共教育が無償です。
 

義務教育後の高等教育(日本の高等学校にあたる教育で、一般的に16歳~19歳)は、男女ほぼ同数が受けています。大学以上の教育を受ける女性の割合は全体の59.9%を占め、男性よりも女性の方がより高い教育を受けるようになってきました。
 

しかしながら、男女の専門分野を見ると、ステレオタイプ的とも言える違いが、未だに顕著に残っています。ヘルス・福祉・スポーツといった分野の80%以上の学生が女性で、全女学生の3分の1にあたります。また、教育分野でも女性が上回り、女学生の21%がこの分野を専攻しています。教職であれば、初等教育では圧倒的に女性教師が多く、男性教師の割合はわずか26.2%です。しかしながら高等学校教育になると割合が逆転し男性教師が50.9%となり、また リーダー的地位の55.7%を男性が占めています。(2007年末統計)
 

大学レベルになると、アカデミック分野のトップである教授職などは、これまで80%以上が男性に占められていましたが、女性起用を増やすための種々の対策がとられ、2012年には女性の割合が24%に増えています。しかしながら、まだまだ男性優位の状態が続いています。
 

一方、自然科学・技術・職業技術の分野では圧倒的に男性が多く、全男学生の31%がこの分野を専攻しています。大学卒業者(学士号)の女性の占める割合は63%、修士号取得者は57%と男性を上回りますが、博士号取得者は48%が女性となっています。(2012年統計)
 

生涯学習はとても重要で、働き始めてからも男女ともに多くの人々が自己教育を続けています。プロフェッショルな職業に就いている女性の65%が過去1年お いて何らかの教育・トレーニングを受けており、この傾向は、学歴が高い人ほどに顕著です。(2013年統計)年代的には若い女性のほうが熱心です。変化・ 発展する社会・職業で活躍を続けるためには継続した教育が必須です。また多くの女性にキャリア志向、成功志向が強いということもあるでしょう。
 

ノルウェーの大学には特別に社会人を対象にしたコースはありませんが、現職や、すでに取得している資格のレベルアップを図る目的で大学や大学院で受講することはよくあります。
 

趣味としての学習では、語学、スポーツ(トレーニング)が男女世代を問わず、最も人気があります。フィットネスインストラクター、ヨガト レーナー、ダンストレーナー、スキートレー等の資格を取り、趣味から延長するケースの例としてトレーナー職を得るといったケースは少なからずあります。
 

しかし日本のようなお稽古ビジネスはなく、生涯教育の場として公立の市民大学があり、言語、音楽、絵画、ライティング、コンピュータ関係など多数のコース が受けられます。コンピューターや経済関係のコースは、職業につながるコースですが、概して、起業につなげるような意識はあまりないようです。
 

失業率も低く、比較的良い仕事が多くあるため、起業精神そのものが低いとも言えます。
 
 
 

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男女平等の実現を主要政策として様々な取り組みが続けられており、女性の社会進出、女性の経済的自立が進んできました。ノルウェーが目指す社会福祉は、男女を問わず基本的な生活を保障するものでが、現実的には女性に不利な状況が続いています。
 

ノルウェーには充実した産休制度があり、保育園や幼稚園の整備も良いこともあり、女性の社会進出は世界でもトップレベルです。しかしながら、富の配分が平等であるかというと必ずしもそうではなく、女性の平均給与は男性の約86%という数字が出ています。
 

国家政策として共働きを奨励しており、家庭とキャリアの両立を可能にすることを目指しています。しかし、出産・育児の時期に、女性と男性の賃金ギャップが 生まれているのが現状です。また、女性の多い職業において賃金が低い傾向があり、そういった分野での改善が遅れています。また、15-74歳の女性の 68%が職についていますが、そのうちの40%はパートタイム雇用です。
 

多くの女性が、学校、病院、福祉施設、市役所といった公共部門で働いています。ノルウェーでは、一般企業のほうが給与が良い傾向があり、これも女性の平均 給与が低い理由のひとつです。しかしながら、同じ職種においても、例えば、フィナンシャル関係に働く女性の平均収入は男性の72%、教育関係では95%という統計があり、まだまだ平等とは言えないようです。
 

女性の地位の向上のために、より多くの女性をトップに起用する政策もとられています。「取締役職の40%は女性でなくてはならない」という規則もあります。政界ではお手本を示すべく、現首相と現大蔵大臣を始め、半分の大臣職に女性が起用されています。しかし、他の領域では、取締役職の27%のみが女性 で、女性のトップはわずか3%と、まだまだ目標には遠く及んでいません。(2013年統計)
 

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伝統的な結婚の重要性は小さくなっています。30歳以下のカップルのほとんどは結婚していない同棲カップルです。全体でも25%のカップルが同棲カップル です。以前は、同棲カップルには子供がいないケースが多かったのですが、今日では、過半数が子供を持っています。ノルウェーでは、結婚という形を取らない 「同棲カップル」も社会に違和感なく受け入れられています。また、同性同士のパートナシップの登録も1993年以来可能になっていますし、国際結婚(カッ プル)も普通のことになってきています。
 

産休制度などの充実が功を奏して、ノルウェー人女性の出産率は1.85と、ヨーロッパでは高い方です。生まれた子供の半分以上は婚外子です。ほとんどが同 棲カップルに生まれた子供ですが、13%はシングルマザーに生まれた子供です。10代の出産は減少しており2%以下です。
 

また、女性の高学歴化、社会進出の増加に伴い、出産年齢の高齢化も進んでいます。現在の平均出産年齢は30.5歳、初産の平均年齢は28.6歳です。
 

養子縁組も多く、年間800人から1,000人の子供達が外国から養子として迎えられてきましたが、近年、その数に減少があります。理由としては養子縁組を希望する子供の数が世界的に減っているからと言うことです。
 

ノルウェーでは養子縁組をした場合も、出産した場合も同様に育児休暇をとることができます。また、育児休暇は母親と子供のためというのではなく、両親と子 供のための休暇と捉えられています。従って、1年間の育児休暇(有給)を父親・母親で分割することができます。現在、父親も最低10週間の育児休暇をとる ことが義務付けられており、父親の育児参加が促されています。ベビーカーを押す父親同士のグループもよく見かけます。
 

離婚率は1990年代から上昇を続けましたが、近年やや減少して約40%に落ち着いています。けれども、同棲カップルが別れた場合の統計が含まれていないため、実際の離別率については不明です。(2013年統計)
 
 
 

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夫婦共働きがほぼ当然であるため、夫婦間での家事・育児の分担は当然のことと捉えられています。また、女性の社会進出を可能にすることが重要政策に掲げられているので、子育ては、両親や家族だけの仕事ではなく、社会・国の仕事とも考えれています。
 

出産後1年間は育児休暇があるため、ほとんどの子供は母親・父親との絆を深めるべく両親の元で育てられますが、1歳になると両親が職場復帰するため保育 園・幼稚園に預けられます。(職業によっては、育児休暇を3年まで延長することもできますが、ほとんどの人が1年で職場に復帰します。)
 

保育園・幼稚園の需要に100%応えるために、国・地方政府ともに相当の努力をしています。選挙の公約にも挙げられる大変重要な政策課題です。誰でも、子 供を安心して育てたいですから、保育園・幼稚園の質も問われます。3歳未満の子供達には、4人の子供に1人の大人がつく割合の保育が行われています。子供 たちにノルウェーの伝統や文化を引き継ぐような、また、自然に触れ親しむ保育が心がけられています。
 

小学校では、始業前と放課後に子供達の面倒を見てもらえる「自由時間学校」が学校の敷地内にあります。小学校低学年にあたる多くの子供たちが利用していま す。ほとんどの家族が核家族、また、定年が男女共67歳からということもあり、祖父母は現役で働いているケースも多いです。それだけでなく、親子・家族で も互いの生活を尊重する人が多いので、必ずしも、祖父母に子供の世話を頼むわけではありません。そういった背景から、忙しい共働き夫婦・女性は、オペア (ベビーシッター)を雇って子供の面倒をみてもらったり、家事の手伝いをしてもらうケースも多々あります。
 

また寛大な児童手当制度があり、子供の誕生した月から18歳になるまで支給されます。加えて、子供が保育園・幼稚園に行かず親が育児をする場合は、追加の支援金が支給されます。(子供が2歳になるまで)
 
 
 

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世界の多くの国々と比べると、ノルウェーでは男女平等はかなり定着し、個人の生活においても、社会生活においても、性差を感じることはほとんどないように思う反面、これまで見てきたように、統計的にはまだまだ改善できるところがたくさんあるのも現実です。
 

しかしながら、女性が一人の人間として充実した幸せな人生を送るには、統計上の平等だけでは叶わない面も多分にあることも確かです。例えば、収入の平等化 は望ましいですが、収入の高さが必ずしも充実感や幸福感とそのまま一致しません。企業のトップの女性数を40%にすれば、自動的に女性の地位が上がり、平等化が進むというものでもありません。最近では、数の平等化にこだわりすぎるあまり、他の不平等感が生まれるというような現象も見られます。
 

また、女性にとってあるゆることが可能になってきたゆえに、女性自身のプレッシャーもかなり大きくなっています。高学歴、プロフェッショナルな仕事、高収入、良いパートナーシップ(結婚)に完璧な家族、そして、女性としても魅力的でありたい、それらを完璧にこなすことが当然とも言えるような雰囲気は、見えないプレッシャーとなっています。燃え尽き症候群や、うつ病、男性と比べると相当高い女性の長期病気休暇率は社会問題ともなっていますが、これらはプレッシャーと無関係ではないでしょう。
 

ノルウェーでは女性も男性も67歳で定年を迎えます。(職業によって定年年齢には違いがあります。) 優れた社会福祉制度とともに優れた年金制度があります。年金額は、もちろん現役時代の収入に左右されるますが、基本的な生活は誰もが保障され、個々人の現 役時の年金貢献がその基本額に加算されるシステムです。老後に経済的な心配があまりないため、老後に備えて貯蓄に努めるというよりも、女性も男性も人生を楽しむということに焦点をあてています。
 

愛国心がとても強い国民性でありながら、老後は、スペインなど冬の寒さを避けられる国々に移り住んだり、冬の間の住処する人も多くいます。
 
 
 

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