世界各国の女性の学び、キャリアや働き方、結婚・出産、子育て、女性を取り巻く環境やライフスタイルについてご紹介します。
 

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フランスの学校教育は将来の職業を見据えての教育であり、途中で進路変更をするのは簡単ではありません。大学などの高等教育を受けるか、パンやお菓子、手工芸など職人を目指すかで進路が変わります。
 

進路の決定は一般的に高校生で行われます。大学に行くには高校卒業試験(バカロレア)に受からなければなりません。大学は公立と私立がありますが、バカロレアに受かっていないと、大学試験さえ受けられません。このバカロレアに受かるため、高校では猛勉強します。バカロレアの合格率は大学の進学率にもなりますので、毎年ニュースになります(合格率は約8割といわれています)。晴れてバカロレア合格すると、自分の行きたい分野のある大学に登録をします。
 

大学によって、入学試験があるところと登録だけで済むところがあります。公立の大学では言語や政治のエキスパートを育てるような大学は学費がかかりますが、一般的に授業料は登録料(約2万円程度)のみと、非常に経済的負担が少ないことが特徴的です。入学するのは簡単なものの、レポート提出や試験など卒業は相当の努力が必要です。大学在学中に、企業を見つけてインターシップや語学、特に英語を学ぶために英国や北米に留学するなど、自分の将来携わりたい職業訓練のために学校に行く、という考えがあるため、学生時代は学業、就職探しに専念せざるを得ません。
 
 
 

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フランスは男女や出身地、年齢などの差別がないように雇用均等を目指していますが、実際にはフランスの女性管理職の割合は30%。出産や子育てにより昇進が遅れる、企業で男女の給料の差があるなど問題点はあります。また企業は基本的に勉強した分野でないと就職することができない厳しい状況もあります。
 

学生時代に、就職したい企業でのインターシップの経験や、語学や仕事で役立ちそうな資格を取るなど、学生時代にできることは済ませておきます。就職しても能力主義で、企業が決めた10日~1カ月の雇用試用期間に合格しなければ、仕事を続けることができません。時間内に仕事を終わらせることも能力の1つで、時間外に仕事をすることは仕事ができないと見なされることさえあります。
 

また働き方としてはフルタイムやパートタイムで働くことができます。日本とは違い、パートタイムは一日7時間を週に2、3回となります。仕事での拘束時間が長いため、子供がいる家庭はベビーシッターを雇うなど工夫して、自分の得た職をなるべく失わないようにする女性が多いです。特にデザインの分野、看護師、調理師などの専門的な知識を持っている女性には、銀行が融資したり起業を支える協会などが金銭援助や情報の援助をし、自宅や個人の事務所で起業する女性もいます。
 
 
 

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日本でも耳にする「事実婚」は「フランス婚」と言われることがありますが、フランスでは年々従来の結婚届を出すカップルが減少しています。フランスでも事実婚では、カップルには損になるので、法的な契約を結ぶ「パクス」という形をとるカップルが増加しています。
 

パクスを選ぶと、結婚したカップルと同じように税金の控除や財産所有の権利、男性の育児休暇が取れるようになります。元々、同性同士の結婚を法的に認めるために作られたこの制度は今では異性のカップルも利用しています。フランスでは、離婚は弁護士を雇うなど日本のように簡単にはできません。このパクスは別れる際も書類を出せば契約を解消できます。フランスではカップルにもよりますが、お互い自立して自由でいたいという考えが多く、結婚という縛りより契約の方を選ぶ人も増えています。結婚するのに「適齢期」や、出産に「高齢出産」(フランスでは35歳以上になるとリスクのある出産と言われていますが。)という言葉の縛りはありません。
 

フランスでは幼いころからみんなと仲良く、というよりは自分に合った人生や友人、パートナーを選ぶ傾向があるため、自分に合った時期が適齢期と捉えられます。出産も40歳までが推奨されていますが、もちろんそれ以上の方もいます。キャリアは女性の人生の一部。産前、産後休暇を利用し、仕事を続ける女性の方が多くいます。休暇は初産か、すでに子供がいるか、双子かなどで時期が違います。出産費用は全て保険適用なので、あとは自分の都合に合う病院やクリニックを探します。
 
 
 

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フランスでは高額所得者を除き、子供二人までは一人当り約130ユーロ、3人目以上では約160ユーロと子供手当があります(高額所得者は半額です)。金額が減少しますが、収入によって、20歳まで援助があります。フランスでは、妊娠時から子育てや母親になるための準備をします。
 

日本との違うことは生まれた時から、子供に子供部屋を作ることでしょう。病院に行くと、妊娠中から子供の名前を考えているか、部屋を準備しているか問われます。母親になる準部ができているかを判断する一つの基準となるためです。里帰り出産をする女性もいますが、基本的にはカップルで出産を待ちます。もちろん、近くに両親がいる場合は両親が子育てを手伝ってくれます。地方に両親がいる場合は、両親が子育ての手伝いに来てくれることもあります。
 

男性の育児休暇は11日、出産前から産前教室に通うなど産前から育児に参加する男性もいます。管理職を除いて残業がある所は少ないので、男性も帰宅すれば育児に参加できるのです。子供が小学生になると、親かその代理となる人が学校の送り迎えをしなければいけません。2014年から小学校で午前中のみの授業が週に2回に増えたため、ベビーシッターを雇ったり、両親に援助を頼むなど、女性は仕事と家庭の両立するために生活の工夫をする必要も出てきました。
 
 
 

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フランスでは小さい頃から、自分自身の人生を模索します。自分なりの生き方やファッション、インテリアなどを探し、人と同じ習い事、同じ服、人と同じことをすることが嫌いです。親も子供たちは一人の人間、個々の個性を尊重しますから、義務教育以降は子供たちにあった学校に行くこと援助する傾向が多いです。カップルとしても、価値観が違い始めたら一緒にいることはできません。
 

最近、別れたカップルがそれぞれの連れ子をつれて、再婚またはカップルとして契約する「ファミーユ コンポゼ(構成された家族)」というスタイルが増えてきています。血のつながりよりも家族としてのつながりを重視しているのです。
 

離婚した場合でも、子供たちは別れた父や母と合う権利がありますので、一般的には1か月に1、2回の週末を、別れた親の家で過ごします。子供たちも、母を一人の女性とみて育つため、新しい母親のパートナーを認めます。我慢して自分らしくない人生を歩くという考えはフランスではあまりありません。
 

夫に先立たれた自分のおばあちゃんが、地域でボランティアをし、そこでボーイフレンドと出会って、おばあちゃんの彼と家族でランチをする、というのはよくある話です。
 
 
 

あくまで、自由に、自分らしい人生を送るというのがフランスの女性です。