1982年広島市生まれ。2007年大阪大学医学部卒業。人間ドックや健康診断など、「病気になるまえの健康管理」を専門にする医師。2014年、第1子出産時に経済的に困窮したことからファイナンシャルプランナーの資格を取り、2015年より活動開始。現在は2児の選択的シングルマザーでもある。選択的シングルマザーとは、「経済的にも精神的にも自立しており、結婚せずに母親になることを選択した女性」のこと。

 

Blog:http://singlemotherbychoice.net/
Facebook: https://www.facebook.com/iq136

 

医師でありファイナンシャルプランナーという異色な組み合わせですが、具体的にどのようなお仕事で、どのような働き方をなさっていますか?

 

医師としては人間ドックや健康診断をメインに仕事しています。病気になってから治すのではなく、病気の予防や早期発見が目的の仕事です。企業相手の産業医として活動することもあります。

ファイナンシャルプランナーは、資格を持っている人自体は多いと思いますが、単に家計のアドバイスをするだけでなく、より多くのお金を受け取るためのマインドに関する個別コンサルティングもしています。

現在医師としては育休中なので週1回程度の外来業務を、ファイナンシャルプランナーとしては個別コンサルティングを日中または子どもたちが眠った夜間にスカイプで行っています。シングルマザーなので育休手当だけでは生活費が足りなくて。4月に第2子が保育園に入れたら医師としてもフルタイム勤務に復帰予定です。復帰後はコンサルティングやセミナーを休日中心にしていくつもりです。

 

この2つのお仕事を選んだ理由やきっかけは何かありましたか?

 

医師を目指したのは、家族や自身が病気がちで苦労したからです。私は子どもの頃から片頭痛持ちだったのですがうまく症状を伝えることができず、正しい診断まで時間がかかりました。中学生の時に初めて的確な診断をしてくれた脳外科の先生に憧れ、医師になることを決めました。

ファイナンシャルプランナーは、もともとお金が好きだったというのが理由の1つです。私は家族や親戚に医師が一人もいないのに医学部に入ったという珍しい存在なのですが、医学部では同級生との金銭感覚の違い、お金に対するマインドの違いに戸惑いました。少し抽象的かもしれませんが、「お金を受け取れる」マインドになるのに時間がかかったので、クライアントさんには早くマインドを変えていただけるよう、コンサルティングでは「お金のマインドブロック」を外すお手伝いをしています。

 

もう1つの理由は結婚せずに出産し、経済的に困窮したことです。日本のひとり親向け手当は専業主婦が離婚した場合しか想定されていないので、前年に所得があると所得制限(全額支給は所得57万円が上限、一部支給は230万円が上限)にひっかかりお金は1円ももらえません。

また、医師は出産前にフルタイムで働いていても産休育休がとれないことがあります。私は第1子の出産前後に「収入はゼロなのに住民税と健康保険料を支払いながら子どもと自分の生活費を支払う」状態になり貯金が激減しました。産後2カ月半で保育園に入園許可が出て仕事復帰するまでは不安でいっぱいで、生活保護の申請も考えました。でもひとり親手当てに所得制限があることや、フルタイムであっても育休が取れない人がいることは一般的には知られていません。

そこでお金に関する知識を普及させて、同じような思いをする女性をひとりでも減らしたかったのです。ライフプランといって、生涯のお金の出入りを計画する表の作成もしています。ライフプランは夫婦と子供の家族、DINKS、独身の人しか想定していないファイナンシャルプランナーがほとんどです。離婚シングルマザーだけでなく未婚シングルマザーも対象にするファイナンシャルプランナーは今のところほかにいないと思います。

 

 

彩さんにとって働くこと、とはどういう意味を持ちますか?今後のキャリアプラン等はありますか?

 

私にとって大人になれば働くことは当たり前でした。私の母も祖母も仕事と子育てを両立させていますし、誰かの収入に依存するという生き方がリスキーに感じられます。また、社会に価値を与え代価をいただくことは喜びでもあります。

ただ、医師の仕事は非常に時間的・空間的拘束がきついです。やりがいもあり好きな仕事ではありますが、将来は週2-3日の勤務にし、残りの時間は「好きな場所で好きな時に」仕事をし、今の3倍以上収入が欲しいと思っています。ファイナンシャルプランナーとしては個人事業主ですが、5年以内に法人化するつもりです。

 

2児の選択的シングルマザーとありますが、日本ではあまり馴染みがない言葉でしょうか。どのようなものか、また選択した理由を伺えますか?

 

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選択的シングルマザーとは、30年以上前にアメリカで誕生した、「経済的にも精神的にも自立しており、結婚せずに母親になることを選択した女性」のことです。当時は白人のキャリア女性が中心だったようです。私が選択的シングルマザーの存在を知ったのはジェーン・マテスという女性が書いた「シングルマザーを選ぶとき」という本を読んでからです。彼女が結婚せずに産んだ息子さんは私と同じ30代になっています。

私は一度不妊と離婚を経験していたのですが、再婚して子どもが欲しいと思っていました。ところが妊娠した後パートナーに「結婚しない」と言われ、ひとりで子どもを産み育てることを選択しました。ようやく授かった命を中絶するという発想はまったくありませんでした。

結婚せずに子どもを産む女性はアメリカやヨーロッパでは過半数なのですが(事実婚が多いフランスが有名でしょうか)、日本ではシングルマザーというと離婚がほとんどです。しかし潜在的には、「結婚はしてもしなくてもいいけど、子どもは欲しい」という女性もいると思いますし、結婚できないからという理由で中絶を選択した女性もいるでしょう。私のような選択ができるようになれば少子化問題の解決にも寄与すると考えます。実際に、40年以上前に婚外子差別が撤廃されたフランスやスウェーデンでは出生率が向上しています。

 

 

選択的シングルマザーに関するコンサルティングもされていますが、概要を伺えますか?

 

「パートナーがいるけれど結婚向きではない、でも子どもは欲しい」という女性を対象に、出産や子育てをひとりでどう乗り越えるのか、お金の面も含めてアドバイスをしています。医師ですのでいわゆる「妊活」のアドバイスもできます。私は実家も地方にあり本当にひとりで子育てしていますが、多くの人はなかなか周囲に私のような人が見つからないと思います。クライアントさんはブログを読んでお申し込みいただく方が多いです。

 

 

女性にこの選択肢を提案するメリットがあれば教えてください。

 

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女性が妊娠できる年齢にはタイムリミットがあります。精神的にも経済的にも自立した女性が、結婚できるのを待っている間に妊娠できない年齢になり後悔するのはもったいないと思います。結婚は50歳でも可能性がありますが、妊娠は50歳ではできません。

もちろん、子どもが欲しくない人は持たなくていいと思います。ですが「本当は子どもが欲しかった」と思いながら、結婚と出産を切り離せないせいで年齢を重ね、諦めて小型犬を飼うというのももったいない。一度きりの人生ですから。

 

日本ではまだ馴染みがないだけに認知度は低いかもしれませんが、女性にとって新たな選択肢として興味深いと感じています。課題もあるかと思いますが、今後どのような活動をお考えでしょうか?

 

ブログでの発信を初めて4年目になりますが、より認知を上げるために、こうして取材を受けたりコラムを書いたりしています。今後は講演会などで「日本の女性も自由に生きていい、結婚も出産も他人ではなく自分が選択していい」ということを伝えたいと思っています。同じ選択的シングルマザーで発信している方がいれば対談などもしたいですね。

また、私は基本的に「子どもが欲しい女性は経済的にも自立していてほしい」と思っています。今もそうですがこれからの時代、夫の収入や税金からの手当に頼るのはリスクが高い。ファイナンシャルプランナーとしてのコンサルティングで「収入を増やすこと」にフォーカスしているのもそのためです。

 

 

プライベートとお仕事のバランスは取れていますか?

 

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不妊を経験しているため、子育ては楽しくて仕方ありません。子育てのストレスがないわけではありませんが仕事で発散し、仕事が終われば「早く会いたい!」と子どもを迎えに行く感じです。

実働時間は長いですが、もともと勤務医で長時間労働に慣れてしまっていたのと(褒められたことではありませんが…)、ファイナンシャルプランナーは好きな仕事なのであまり疲れは感じません。起業してからはSNSでの発信やブログを書くことも仕事の一部です。書くことはもともと好きなので、仕事と趣味を兼ねている感じです。

シングルマザーというと実家に頼る人も多いのですが、工夫次第で仕事と子育ての両立は何とでもなります。詳しく聞きたい方はぜひ私に会いに来てくださいね。

 

自分の時間をどのように過ごしていますか?趣味はありますか?

 

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子供たちが起きている間はしっかり向き合いたいので、子どもが眠った夜21時以降と、朝6時までが自分の時間です。読書、ブログ投稿もこの時間にしています。

趣味は旅行、芸術鑑賞、グルメ、スキューバダイビングなど色々ありますが、今は子どもたちと一緒に過ごす時間が楽しいので控えめにしています。とはいえ、上の子とは那須高原、宮古島に一緒に旅行しました。子どもたちは外ではおとなしくめったに泣かないので、赤ちゃんを抱っこして美術館に行くこともあります。また、3年以内にトライアスロン完走という目標があり、地道に自宅でのトレーニングをしています。第2子がもう少し大きくなったら本格的にトレーニングを始めるつもりです。

 

日々意識して実行していることがあれば教えてください。

 

今起きていることはすべて自分の選択の結果だと思って生きています。「子どもが小さいから出かけられない」と言うお母さんがよくいますが、預けて出かければいい。それをしないのはお金がかかるのか、世間体が気になるのか、本当は出かけたくないのか、いずれにせよ外出よりも優先していることが自分の中にあるのです。

私は自分で選択したことに言い訳をしたくないし、子どもたちにもそうした生き方を見せたいと思っています。

 

今後の目標やこれから挑戦したいことはありますか?

 

5年以内の目標として、年収3000万円以上で、好きな時に好きなところに旅行に行ける生活、トライアスロン完走、個人事業主から法人化、出版、アジア圏への旅行などです。

10年以内の目標として、年収1億円以上で自分の会社で雇用を創るなどの社会貢献、不動産のローン完済、家族でアメリカやヨーロッパに旅行、TEDに出演などがあります。

プライベートでは新しいパートナーも欲しいです。

 

 

今後のライフプランについて教えてください。

 

30代のうちに新しいパートナシップと経済的基盤を築きたいです。40代はそれらを飛躍させ、50代になれば子育てが終わるので社会貢献の比重を多くしようと思います。留学生のホストファミリーや観光案内ボランティアなどしたいです。

仕事は好きなので60代までと言わず70代でも続けていきたいです。

 

 

彩さんにとって譲れない自分の軸はありますか?それはどのように見つけましたか?

 

私の軸は「自立と自由」です。シングルマザーですが自治体からの支援も、養育費も一切もらっていません。これはもらえなかったというのが本当のところですが、すべて自分で稼いだお金だからこそ気兼ねなく好きなことに使えるというメリットもあります。自由には責任が伴いますが、社会人として、母親として責任を果たしていると思うからこそ自由に生きています

私の両親があまり「あれをしてはダメ、これをしてはダメ」と言わず、子どもの意思を尊重して育ててくれたおかげだと思います。また、無駄遣いしない両親だったので経済観念がしっかりしました。

 

自分らしく生きていきたい、という女性に向けてメッセージをいただけますか?

 

「してはいけないこと」なんて犯罪を除けばほとんどありません。一度しかない人生、自分の感情に正直に生きてください。私の生き方がどなたかの参考になれば幸いです。

 

 


 

選択的シングルマザーは、これからの女性にとって新たな選択肢となっていくのかもわかりません。とても興味深い彩さんの生き方をご紹介したいと思い、インタビューをさせていただきました。日本人はお金の教育を受けていないことからも稼ぐことに対するマインドブロックについても対応が必須となっていくものだと思っています。ぜひ関心を持たれたら彩さんにご相談してみてはいかがでしょうか。

 

素敵なストーリーをありがとうございました!

 

 

 

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