カンボジアの子育ては日本と違うところがたくさんあります。
日本の常識と比べるとえっ?と思ってしまうことから今の日本には理想的でうらやましいと思えることまでたくさんあります。海外での子育て事情は、日本の常識をずれるという記事をよく見ます。しかし私がカンボジアに住んでいる中で、え?と思うよりもいつから日本人は忘れてしまったのだろう…とカンボジアの子育て環境に考えさせられる点も多い気がします。
今回はその点をまとめてみました。
カンボジアの子育てで、日本もこんな感じだったらいいのにと思うことは職場に子どもを連れて出勤するのが当たり前であることです。
自分が仕事している時は誰かしらがご飯食べさせたり、抱っこしたり面倒を見てくれています。それも自分の子どものように手厚くみてくれるのです。初めてその光景を見た時に、あれ?一体この赤ちゃんは誰の子どもなんだろうと疑問に思うほどでした。カンボジア語がまだ話せなかったころ、夕方帰宅するときになって子どもをバイクに乗せ帰っていく同僚の姿をみて初めて、なるほど!あの人の子どもだったんだと気付くということがよくありました。
職場だけでなく各家庭でも、家族全員で子育てをします。もともと大家族で住んでいる風習があるのでおばあちゃん、ひいおばあちゃん、自分の兄妹が子どもの面倒を見るのは当たり前です。さらにいとこやはとこまで同居している家庭も多いのですが、近くに住んでいる場合でも毎日のように子どもの面倒を見に来てくれていました。
日本の孤立する家族・待機児童問題など、考えられない状況だなと思いました。
カンボジアでは家族を大事にすることが当たり前の事でありそれが子育てだけではなく、高齢者に対しても当たり前のように身の回りのお世話をする習慣があります。カンボジアの友人に『なぜそんなに家族のことを大事にするのか?』聞くと『当たり前じゃないか!家族がいなかったら、今の僕はいないんだよ?』と返事をされました。当たり前のことなのかもしれませんが、日本の現状をみると頭があがりません。日本とカンボジアでは高齢者の人数や環境など違いがありますが、それでも頭があがりません。
私自身も、彼の言葉受けて家族について子育てについてもう一度考えてみようと思うきっかけになりました。カンボジアはまだまだ発展途上ですが、家族や身の回りの人を大事にする風習は発展とともに消えないでほしいなと思います。
ライター:nuco
プロフィール:日本で看護師・助産師として7年程働き、その後海外・カンボジアで医療ボランティア活動しています。カンボジア移住についての話や医療についての現状などブログにしています。