正社員神話説という言葉も生まれてきている昨今。それは若い世代よりも定年に近い世代の方がよりリアルな問題なのかも知れません。
新卒からキャリアを積み上げてきた50代の女性のお話を知人から聞きました。
ある日、折の合わない新しい上司の独断により全く畑違いのポジションに配置変えされ、片道2時間のオフィスに異動となり、結局退職に追い込まれたのだそうです。
新卒からがんばって何十年も会社に貢献してきた結果がこれ?
あと数年で定年退職。一瞬にしてこれまで積み上げてきたものが消えてしまったのです。人のことは言え、衝撃でした。でも事実、こうした話は割とあると感じています。
転職活動をしている方はご存知かもしれませんが、若ければまだ転職なり選択肢がそれなりにあります。それこそ50代で再就職というのは非常に厳しいのが現状のようです。ましてや新卒からその会社での経験しか無いことは、リスクに変わります。
法に訴えれば何かしら対策はあったのではと思ったのですが、聞くところによると会社も方のスキマをぬっていて戦うだけムダと判断。そんなことに時間とお金を使うのであれば気持ちを新たにしたいと考えたそうです。
先日久しぶりに会った元同僚からは、会社で正社員の大量解雇(ほぼ理不尽な)があった話も聞きました。そのちょっと前にはやはり定年まで1年を切っていましたがグローバルのマネジャーも退職を余儀なくされる状況になっていました。こちらは外資なので正社員安定説自体存在しないわけですが、だからこそみな自分のキャリア形成には真剣です。
また私が大分昔、派遣で働いていたある企業がありました。そこは親会社が大手。そのグループ会社で事業自体は安定していました。10年以上も前のあの頃も、「ここの社員はずっと安泰だろうなぁ」と思っていたのです。
ところが、最近会社のリブランディングと買収で、良い立地から移転しており、さらにはその社名すら消えていたのです。
そんな話を聞きつつも一方で、個人事業と業務委託で複数案件に携わる女性は、「この働き方の方がずっと安定してる」と話していました。「一つが落ちても他があるから、リスクヘッジになるし、正社員1社だとそれが無くなったら一気にアウト。」
あなただったら、どちらを選択しますか?
今すぐ正社員や安定した仕事を辞めなくとも良いと思います。可能な限り継続していけるところまで行く、そのスタンスで問題ないと思います。
でも平行して万が一の時のための対策は備えていて損はしません。
いまの子供達世代は、正社員制度もなくなり、パラレルワークが主流の時代になるのだろうと思われます。それでもまだ多くの親は、子供に正社員になってほしい、と考えている人たちもいます。今の親世代の当たり前は、子供たちが社会に出る頃は変わっている、という前提で子育てをしていくことも必須になってきますし、親の視野が狭いことが子供へのリスクも生み出すのかも知れないことを知っておくべきなのかもしれませんね。
正社員という選択はもはや神話なのか。果たしていつまで通用するかはだれにもわかりませんが、準備は今日からできますよ!
固まった思考から解き放つところから始めていきましょう!